仏壇に使われる銘木類その1
◇海外産の銘木類◇
○紫檀
マメ科の樹木で、産地はタイ・ラオス・ベトナムなどです。
古くから工芸材料として使われてきたにも拘わらず、その正体ははっきりしていません。
現在ではマメ科の植物である学術名ダルベルギア・コーチンチネンシスが本紫檀であり、タイではパユン、ラオスではクランフンまたはカムフン、ベトナムではトラックと呼ばれています。
紫檀の木目は鮮やかで、力強さと気品があり、赤みを帯びた木肌で赤褐色・濃紫色・黒などの縞模様があります。
○チンチャン
手違い紫檀のことをチンチャンと呼びます。
本紫檀と似た材料であり、紫檀同様にその正体は諸説あります。
現在は学術名ダルベリギア・オリヴェリのことをチンチャンとしています。
○パオロッサ
マメ科の樹木でパーロッサとも呼ばれています。
アフリカで産出される木材で濃赤色の木肌を持ち、紫檀に似ていることから紫檀の代用としても使われます。
○ローズウッド
家具によく使われる木材です。
300年前にはブラジルで産出されたブラジリアンローズがヨーロッパの宮廷家具の材料として用いられていました。
現在はブラジリアンローズが希少材となり、その代替としてインドで産出されるインディアンローズが主に使われています。
○花梨
マメ科の樹木で代表的な唐木材のひとつです。
タイ・ミャンマーで産出されます。
心材は紅褐色、帯桃暗褐色ですが材料によっては黄赤色、金褐色であったりします。バラ科の庭木の花梨とは全く別種のものです。
○ブビンガ
マメ科の樹木で赤道アフリカで産出されます。
紫檀の代用材として用いられます。
○黒檀
カキノキ科の樹木で代表的な唐木材のひとつです。
本黒檀・縞黒檀・青黒檀などありますが、仏壇・仏具の用材として最も使われるのは縞黒檀です。
現在有名なのはインドネシア・スラウェシ島で産出される縞黒檀です。
縞黒檀に似た材料としてカマゴンというフィリピンで産出される木材もあります。
○鉄刀木
マメ科の樹木で代表的な唐木材のひとつで、主に東南アジアで産出されます。
心材は紫黒色・黒褐色で美しい斑模様が特徴的です。
○ウエンジ
マメ科の樹木でザイール・カメルーン・ガボン・コンゴなどのアフリカ諸国で産出されます。
鉄刀木と似た木目を持ち代用材として用いられます。
○シャム柿
カキノキ科の樹木で元来はタイから輸入されており、赤黒い濃淡の模様を持っています。
最近では中南米からの輸入材で良く似た南米桑(フレイジョ)をシャム柿と呼んでいます。
フレイジョは南米チークとも呼ばれ心材はくすんだ暗黄褐色です。
○黄王檀
現地名はパウアマレロ、ミカン科の植物で鮮黄色に黒の模様が入っています。
南米銘木のうちのひとつです。