お盆について

お盆について

2017.05.15
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「お盆」といえば宗派や地域を問わず誰もが耳にしたことがある言葉かと思います。

数少ない大型連休、実家へ帰省しお墓参り、子供にとってはどこかへ連れて行ってもらえるチャンス、とさまざまなイメージがあるかと思います。

そんな「お盆」実際はどういった意味合いの行事なのでしょうか?

みなさん気になる2017年のお盆休みの情報も含めてお話していきたいと思います。

 

お盆とは何なのか?

お盆は一般的に年に一度ご祖先様や個人の霊が浄土から私たちのもとに帰ってくる期間とされているご先祖様・故人の霊を迎えて供養する仏教行事です。

仏教行事ですが仏教が伝わる以前から存在していた古神道において、先祖供養やそれにまつわる神事が行われており、この神事の一部がお盆に変化したとも言われているのでそれぞれが結びついた先祖供養の行事として捉えられるかもしれません。

お彼岸と並んで大きな仏教行事の一つであるお盆は、「盂蘭盆会・うらぼんえ」といいます。これは、梵語(古代インドの文語サンスクリット語)のウラバンナからきています。
お盆という言葉の由来は”ウランバナ”という梵語を、漢字に音写した”盂蘭盆”の”盆”に、接頭語の”お”を くわえたものと言われており、逆さづりという意味があります。

盂蘭盆会の由来は『盂蘭盆経』と言うお経のなかで、お釈迦様の第十弟子の一人である目連尊者(摩訶目犍連・モッガーラーナ)が、自身の母親が餓鬼道に落ちたとき、お釈迦様の教えにしたがって多くの人々や僧にごちそうし、心からご供養したところ、無事母親は餓鬼から逃れられ、往生できたという教えから、はじめられたものとされています。

この日蓮さまの母親をお釈迦さまが7月15日に供養したのが盂蘭盆会で、お盆の始まりとされています。


ウラバンナの直訳は、「倒懸・とうけん」とよばれるもので「非常な苦しみ」という意味があります。お盆は、この「倒懸・とうけん」の苦しみを逃れ救うための供養とされています。苦しんでいるご先祖・故人がいないように、ご先祖さまの霊を迎えて供養する行事といえます。
日本では、お盆に先祖の霊が各家に帰ってくると信じられるようになり、精霊を供養し、仏様や先祖の恩に感謝する行事となったとされています。『盂蘭盆経』の教えは親孝行の大切さを説いた教えといわれています。

 

新盆について

故人が亡くなって四十九日(忌明け)の後、初めて迎えるお盆を初盆(はつぼん)または新盆(しんぼん、にいぼん、あらぼん)と呼びます。

四十九日法要前にお盆を迎える場合、新盆は翌年になります。

お盆にはご先祖様や故人の霊が帰ってくるといわれ、地域によってお供えの仕方に多少の違いはありますが、基本的には自宅でお供えや盆提灯、牛馬を置きお迎えし、お墓参りをするといった供養をします。新盆ではそれらに加え、ご住職や親族、故人と親交の深かった人などを招いて法要を行ったり、ご住職が新盆の方のご家庭を回られて拝んでいただいたりします。

地域、ご住職によって違ってきますので早めに一度ご確認いただくといいかもしれません。

 

お盆の期間は?

お盆は地域によって行われる時期が違い、例えば東京では旧暦の月日がそのまま新暦に残った7月13日から16日までが一般的です。地方では8月20日前後に行われる「旧盆」、「月遅れ盆」といわれる8月13日から16日に行われることが多いようです。

 

2017年のお盆期間いつからいつまで?

東京など関東圏の一部の地域の場合7月13日の木曜日から7月16日の日曜日、

月遅れ盆の場合8月13日の日曜日から8月16日の水曜日になります。

お盆休みは11日が山の日で祝日な為8月11日から16日までの6連休の方が多いと思われます。

 

新盆・お盆で準備するものは?

  • 盆棚

盆棚とは、位牌を安置しお供えする棚のことでお盆の時期に限定して設置されるものです。

精霊棚(しょうりょうだな)とも言われ、ご先祖様や故人の霊を迎えるために作ります。

昔は大工の方に作っていただいたりしていたそうですが最近は既製品で横からボルトで留めるものがあり大きさは3尺、4尺の2サイズあります。

置く場所は、庭先・緑先・戸口・縁側・奥座敷・仏間・床の間・仏壇の脇、前などさまざまです。その為、地域の習慣や住宅事情に合わせる形で構いません。

最近ではマンションでも設置できるようなミニ盆棚という小さいものや三段や二段の祭壇タイプのものもあります。

 

  • 白紋天

白紋天は亡くなったばかりの故人に対する灯で、新盆(初盆)の方のみ必要な提灯です。

地方によって異なりますが、お盆月の1日から初盆の家の人は門口や仏壇、お墓に白提灯を立てたり、初盆の家の人にそういった提灯を贈ったりして特別の儀礼を行ないます。

新盆用の白紋天は、むかしは送り火で燃やしたり、自宅の庭でお焚き上げしたり、菩提寺に持って行き供養処分してもらいました。

しかし最近では、火袋に少しだけ火を入れて燃やし(形だけお焚き上げをして)、鎮火を確認してから新聞紙などに包んで処分する場合が多くなっています。

形は昔からの吊り下げるタイプの他にモダン提灯として置くタイプの白紋天もでています。

 

  • 盆提灯

盆提灯はお盆のとき、先祖や故人の霊が迷わず帰ってくる目印の灯として飾る、模様や絵柄の入った提灯です。

盆提灯は故人の冥福を祈り、感謝の気持ち込めたお盆の供養を表すものでもあります。

仏事なので基本的には一対で飾ります。

盆提灯には上から吊り下げるタイプ、床に置くタイプ、小型タイプ、モダンなタイプと、大きさや形はさまざまです。宗派による違いはありませんので地域性や住宅事情を考慮してお好みの盆提灯を選んで頂いて構いません。

 

  • 十三佛

十三の仏様で、初七日から四十九日までの七回の法要、その後の百か日から三十三回忌の十三回の法要において、それぞれ故人の救済に当たるとされております。十三仏を供養することは、ご先祖様への供養になります。

その為、お盆ではご先祖様への感謝の気持ちをこめて十三佛の御掛軸を飾ってご供養します。

 

  • 牛馬

お盆の期間中には、故人の霊魂がこの世とあの世を行き来するための乗り物として、「精霊馬」(しょうりょううま)と呼ばれるナスの牛やきゅうりの馬を用意します。4本の麻幹(おがら)あるいはマッチ棒、折った割り箸などを足に見立てて差し込み、馬、牛として仏壇まわりや精霊棚に供物とともに配します。

これは霊が馬に乗って一刻も早くこの世に帰り、牛に乗ってゆっくりあの世へ戻って行くように、との願いを込めたものといわれています。

最近では出来上がったものもあります。

 

  • 迎え火

先祖や故人の霊が迷わず帰って来る目印にするのが「迎え火」です。13日の夕方に玄関先などで「迎え火」を焚いて霊をお迎えします。「迎え火」は、焙烙(ほうろく)という素焼きのお皿の上で麻幹(おがら)を炊きます。実際に火を焚くことが難しい場合は、盆提灯を飾って迎え火とします。

お墓参りをして、墓地で弓張提灯やこんばん提灯に明かりを灯し、その提灯を持って帰り、霊を自宅まで導くというのも「迎え火」の一つのやり方です。

その際に一緒に持ちたい子供さんの為の子供用の提灯もあり、上記の弓張提灯やこんばん提灯と合わせてお迎えに行く方もいらっしゃいます。

地域の風習に合わせて行いましょう。

 

  • 送り火

先祖や故人の霊があの世への道に迷わないために送り出す火が「送り火」です。

一般的には15日か16日の午後に、迎えた時と同じように玄関先などで焚きます。

川や海に灯籠を流す「精霊流し」も、これと同様の意味で行われているものです。

 

  • 盆ござ

盆棚用の敷物として使用します。より華やかにということでござの代わりに金襴のどんすを使用する場合もあります。

 

  • 真菰(まこも)

ご先祖様を清浄な場所にお迎えするためです。真菰は薬用成分を含む植物で、お釈迦様は真菰の敷物に病人を寝かせ治療をしたともいわれます。

 

  • 真菰(まこも)縄

盆棚の前や周囲にたてた青竹に結んだり巻きつけたりします。これには結界の意味合いがあります。

縄のあいだにはホオズキや稲穂、蒲の穂、若布、色紙等をつり下げます。

 

  • 盆花

お浄土に咲く、金銀の蓮を表している蓮の花の造花です。霊の依代(よりしろ)としてお供えします。また、ご先祖さまがはるばる我が家を訪れるための道しるべとなります。

地域ごとの風習があるためさまざまです

例えば関東では基本的には一本だけ用意する場合が多いそうです。

初盆(新盆)の年は2本用意し、1本は盆棚に、もう1本はお墓に飾ります。

お墓に飾った花は、お盆が終われば送り火と一緒に燃やします。

盆棚に飾った花は、一年間自宅の仏壇に飾って次の年のお盆にお墓へ持って行き飾ります。

他の地域では生花の穂を水で濡らし、麻柄で燃やした火を消します。

※赤い盆花を飾る地域もあります。

 

  • 麻柄(おがら)

麻の皮をはいだ後に残る芯の部分で、麻は古来より清浄な植物で、悪いものを寄せ付けないと考えられております。

また、燃やすということも清浄な空間を作り出す行いです。また、天にのぼる煙が、ご先祖様の道しるべになるともいわれております。

 

  • 鬼灯(ホオズキ)

精霊が迎え火や提灯の灯りを頼りに帰ってくるといわれることから、鬼灯を提灯に見立てて盆棚に飾ります。また農作物の収穫が少なかった時代には、鮮やかな赤の鬼灯をお供えすることによって、お供え物の不足を補う意味があったと言われています。

 

  • 色紙

五色の色紙を紙垂(しで)のように切り込みを入れて下げます。色紙の色によって仏さまを表現しています。地域によっては華やかに盛大にお迎えするために飾ったりと地域ごとの風習があり紙の切り方、飾り方、意味合いも多少異なるようです。

 

  • 御膳

仏様に精進料理を差し上げるお膳です。

別名九重椀(フタを含めて9枚)とも言い、それぞれの器には、飯椀(ご飯)、汁椀(お吸い物・みそ汁)、平椀(煮もの)、ツボ椀(煮物・ゴマあえ)高皿(漬もの)をお供えするのが一般的です。

 

  • 丸三宝

供物をお供えする供物台です。一般的に旬のものや好きだったものをお供えします。なので夏野菜や果物をお供えする場合が多いようです。

 

盆棚の設置等やり方は?

○新盆の方は1日から門口や軒先などに白紋天を飾ります。

○12日までに盆棚、提灯といった上記のお道具の他、仏具、ローソク、お線香などを準備します。

○盆棚にはござを敷き、その上に真菰(まこも)を敷き、ご飯や供物等をお供えします。

四隅に青竹を立てて竹の上にまこも縄を張り、そこにホオズキや素麺、昆布などを飾る地域もあります。

十三佛御掛軸は壁にかけたり盆棚掛けたりして奉ります。

○13日になりましたらお位牌を仏壇から盆棚に移します。

○17日にすべてを片付けます。

※これらは地域、宗派などでこれらの準備するものなどは変わってくるので新盆の方はご住職に尋ねられた方がよいでしょう。

 

 

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