仏教をよりよく知るため:その14
仏の智慧は、私たちに何を教えてくれようとしているのか
キーワード:修行(しゅぎょう)
仏教は、仏の説いた教えであると同時に、仏になるための教えである。
修行とは、その教えに従って、仏に」なるために行う実践をいう。
釈尊が説かれた修行の根本は「戒・定・慧」の三学である。「戒」とは仏教徒としての生活規範を守ること。「定」とは心を静かに集中させること。「慧」とは真理を把握する智慧を持つことである。
大乗仏教になると、それをさらに発展させて、六つの修行徳目(六波羅蜜)が強調されるようになった。
「布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧」がそれである。
一般には、修行というと、坐禅とか苦行など、肉体を痛めつけるものというイメージがあるが、仏教の修行はあくまで中道であるから、無理をする必要はない。
何より大切なのは、いったい何のために修行をするのかを、はっきり自覚していることだろう。そうでないと、修行が僧侶になるための単なる資格とりになってしまう。
キーワード:出家(しゅっけ)
日々の生活は信者のお布施に頼り、そのかわり仏道の修行に専念する人のことを「出家」という。これに対して「在家」は生活を営みつつ、仏道の修行を行う人をいっている。
出家の中で、男の僧を比丘といい、女の僧を比丘尼といっている。 「在家」の男は、「優婆塞」(うばそく)といい、女は「優婆夷」という。
仏教においては、比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷は、仏道を求める点では平等である。
サンスクリット語では、プラヴラジャナで、家を出るというのが、「出家」の原義である。
インド、スリランカ、ビルマ、中国、韓国、などでは、出家者は原則として妻帯しない。しかし、現代の日本では僧侶も家庭生活を営み、完全に「在家仏教」化している。
かつては、出家が在家に戻ることを還俗(げんぞく)といったが、今では、それも日本では死語に近い。
2010.6.27 東松山店 杉田
参考文献「仏教と仏事のすべて」
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