仏教をよりよく知るため:その11
仏の智慧は、私たちに何を教えてくれようとしているのか
キーワード:止観(しかん)
仏道を修行する一方法である。止というのは、サンスクリット語ではシャマタといい、心を練っていっさいの外境や妄想に動かされないで精神を集中することである。観はサンスクリット語ではビパシュヤーナといって、心を統一して正しい智慧を起こして対象をよく見ることである。
この止観をたいせつにしたのは中国の天台大師智顗である。彼は坐禅こそ万行のもとだとして、止観を坐禅の内容として説いたのである。代表作としての、「摩訶止観」は有名である。
天台宗では止観業として発展させ、それが最澄の比叡山門下から、法然、親鸞、栄西、道元、日蓮らの諸宗を生み出すもとになっているのである。
波立っている水面には、物はゆがんでしか映らないのと同じように、いつも動揺している心には正しく物事は見えてこない。
大事な場面に直面したときなどは、特に心を平静に保つ事が重要であるが、そのいちばん簡単で効果的な方法は、深く息を吸い込んで、ゆっくりと吐き出すことを何回かつづけ、その呼吸に意識を集中させることである。
キーワード:地獄(じごく)
地獄、餓鬼、畜生のことを三悪道というが、地獄はその中で最低の世界で、生前、悪業・罪過が最もひどかった者がここに堕とされ、あらゆる苦しみを受けるとされる。経典によればセンブ州というところの地下二万由旬(由旬は古代インドの距離の単位:一由旬は10キロメートル)約20万kmの鉄囲山という山のふもとにあるという。
サンスクリット語ではナカラという。自分の行った悪業によって赴く地下の牢獄のことなのである。経典によって説き方はさまざまだが、主なものに十六地獄がある。八大熱地獄と八大寒地獄だ。
仏教の地獄は有期刑だ。いつかは必ず、仏様が救済してくれると説かれている。
日本では源信が「往生要集」にくわしく地獄の様子を描写してから、地獄絵などが広く普及したが、地獄に対する恐怖心をあおり、悪い行いをしないようにと説く方便として使われてきたようだ。
現代では、地獄をそのまま信じる人はいないだろうが、被爆直後の広島・長崎などのありさまは、まさに地獄そのものであったろうし、人間が作り出す地獄は、おそらく仏教の説く地獄よりははるかに多く、悲惨なものであるらしい。
2010.6.22 東松山店 杉田
参考文献「仏教と仏事のすべて」
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